業界全体が推し進めるグリーンサステナブル半導体製造技術とは

グリーンサステナブル半導体製造技術とは、持続可能な社会の実現を目指すため、半導体製造に使うすべての投入資源を考慮し、CO2排出など地球環境に影響を与える負荷を低減していこうとする技術です。

半導体製造業界がグリーンサステナブル化を進める意義

半導体技術の日進月歩はめざましく、パソコンやスマートフォン、IoT機器など、現代では身のまわりのあらゆる製品に半導体が使用されています。

半導体はもはや現代社会の重要なインフラと言っても過言ではなく、経済や安全保障も大きく左右しかねない存在です。

今後も持続的に半導体を生産し続けなければ、社会維持にも著しい影響を与えるでしょう。

一方で、半導体製造では、材料から最終製品に至るまでに数多くの工程があり、長いサプライチェーンが形成されています。それに加え、製造を行う過程では、大量の資源投入に対し、大量の廃棄物が生成されている点も問題視されていました。

温室効果ガスの排出削減や資源消費の低減は、半導体企業が取り組むべき共通の課題ですが、半導体製造が地球環境に対しどのくらい負荷を与えているかは、正確には分かっていません。

そこで、まずは現状の環境負荷を把握する指標づくりが求められました。環境負荷低減のための対策技術の開発が進められる中で、同時に業界全体で共有できる指標づくりも急務となっています。

半導体製造業界のグリーンサステナブル化が動き出したのは2020年頃です。

アメリカのApple社が「2030年までにサプライチェーンのカーボンニュートラルを達成する」と公表したことをきっかけに各企業の取り組みが注目されるようになりました。

日本においても産業技術総合研究所が「グリーンサステナブル半導体製造技術検討会」を開催し、グリーンサステナブル化に向けた戦略を検討しています。

現在では、国際業界団体「SEMI（国際半導体製造装置材料協会）」が主導し、業界全体で共有できる指標の策定を目指しています。

※参照元：事業構想半導体業界が取り組む「グリーンサステナブル半導体製造技術」とは？（https://www.projectdesign.jp/articles/news/2801f561-9249-4c8a-9a2e-b57f2d173caa）
産総研マガジン「グリーンサステナブル半導体製造技術とは？」（https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20240626.html）