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ニコンが先端パッケージング向け露光装置で「解像度」と「生産性」の両立を狙う

1.5µm対応のデジタル露光装置、2027年度中の発売を予定

ニコンは、半導体デバイス製造の後工程にあたるアドバンストパッケージング向けに、解像度1.5µm(L/S)のデジタル露光装置を開発中です。発売は2027年度中を予定しており、すでに受注を開始している解像度1.0µm(L/S)のデジタル露光装置「DSP-100」に続くラインナップ拡充となります。

今回の装置では、スループットを「DSP-100」の50 panels / hourから65 panels / hour以上へ高め、30%以上の生産性向上を目標としています。対象は510×515mm基板の場合で、Panel Level Packagingなど量産工程で求められる処理能力を意識した設計だといえます。

生成AIが押し上げる先端パッケージング需要、GPU・HBMがけん引役に

背景にあるのは、生成AIの普及によってGPU(画像処理半導体)やHBM(広帯域メモリー)など次世代半導体デバイスの需要が拡大していることです。複数の半導体チップを並べて接続するアドバンストパッケージングの採用が加速し、大型インターポーザーやFC-BGA基板への配線工程の重要性が高まっています。

一方で、こうした後工程では、用途や顧客プロセスによって求められる解像度が異なります。最小線幅だけを追うのではなく、必要な解像度を満たしながら、どれだけ高い生産性を確保できるかが装置選定の大きなポイントになっています。

「1.5µm」と「1.0µm」を使い分け、将来のプロセス変更にも対応

今回開発中の装置は、解像度1.5µm(L/S)に適した光学系を搭載し、生産性を高めることを狙ったものです。ニコンはすでに解像度1.0µm(L/S)の「DSP-100」を展開しており、今回の1.5µm対応機は、より高スループットを重視する用途を補完する位置付けになります。

さらに本製品は、光学系を交換することで、解像度1.0µm(L/S)の「DSP-100」としても使用可能だとされています。顧客側から見れば、当初は1.5µmプロセスで高い生産性を確保しつつ、将来的な微細化やプロセス変更にも対応しやすい構成になります。

マスクレス露光で、コスト削減と開発期間短縮にも寄与

ニコンのデジタル露光装置は、フォトマスクを使わない点も特徴です。マスクが不要になることで、マスク製作にかかるコストを抑えられるほか、設計変更への対応もしやすくなり、製品開発や製造期間の短縮につながるとしています。

この点は、試作・少量多品種・仕様変更の多い先端パッケージング領域と相性がよいと考えられます。特にAI半導体や高性能パッケージ基板では、設計・実装の最適化サイクルが速くなるため、マスクレスで柔軟に露光できることは導入メリットになりそうです。

露光装置競争は前工程から後工程へ:ニコンの強みは技術の掛け合わせ

露光装置というと、微細化を支える前工程向け装置が注目されがちですが、AI・HPC向け半導体では、チップをどうつなぎ、どう実装するかという後工程の重要性が増しています。ニコンが今回打ち出したデジタル露光装置は、アドバンストパッケージングの量産性向上を狙う動きとして位置付けられます。

ニコンは、半導体露光装置で培った高解像技術と、FPD露光装置で培った高生産性技術の両方を強みとして掲げています。前工程の微細化競争だけでなく、後工程の配線・パッケージング領域で「必要な解像度」と「量産性」をどう両立できるかが、今後の差別化ポイントになりそうです。

参照元: 株式会社ニコン「解像度1.5µm(L/S)のデジタル露光装置を開発」2026年6月5日(https://www.jp.nikon.com/company/news/2026/0605_01/)

参照元: TECH+(マイナビニュース)「ニコン、1.5μm対応のデジタル露光装置を開発 先端パッケージングの生産性を向上」2026年6月5日(https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260605-4544900/)

参照元: AFPBB News「ニコン 解像度1.5μm(L/S)のデジタル露光装置を開発」2026年6月5日(https://www.afpbb.com/articles/-/3638407)