一口に露光装置と言っても、その種類はさまざまです。露光方式によって大きく分けるとコンタクト露光装置・プロキシミティ露光装置、投影露光装置の3タイプですが、ここではさらに詳しく、6つのタイプについて解説します。
光源・コスト・解像力で比較 【量産向き】 おすすめの露光装置5選
コンタクト露光とは、マスクとウエハを密着させて露光する方式のことです。原寸大の回路が描かれたフォトマスクを作成し、マスクをウエハ表面のフォトレジストに接触させて平行光を照射します。
メリットは、解像力が高く、値段が比較的安い点。デメリットは、大面積への高精度な露光が難しい点、密着を繰り返すことによるマスクの消耗や、マスクの欠損によるマスク数の増加でもコストがかさむ点です。導入費用を安く抑え、歩留まりは多少悪くても解像力を上げたい方におすすめです。
コンタクト露光における問題点を改善するため開発されたプロキシミティ露光は、マスクとウエハの間にすき間を空けて露光する方式です。
マスクやウエハへのダメージが少ない点がメリットですが、大面積では特に、マスクとウエハとの間隙を均一に保つことが難しく、高精度の露光がしづらい点がデメリット。コンタクト露光でのコスト高やゴミ問題に悩んでいる方、少しでも導入コストを抑えたい方におすすめです。
投影露光とは、マスクとウエハの間に、投影レンズを入れて回路パターンを投影させる方式のことです。メリットは、マスクとウエハが接触しないため、転写欠陥やマスクやウエハへの傷が発生しない点です。プロキシミティ方式に比べると、解像度も格段に向上しています。
一方、デメリットは初期費用が高い点。マスクが半永久的に使える上、歩留まり・稼働率が高いため、トータルコストを考え、高精度な露光装置をお求めの方におすすめです。
ステッパーは、マスクを用いずにパターンをウエハに直接縮小露光する方式のことです。露光エリアをステップ・アンド・リピートしながら少しずつ露光することから、ステッパーと呼ばれています。現在も、半導体生産ラインの中枢に位置し続けている露光方式です。
一括露光に比べて処理能力は落ちますが、ウエハの平面度を気にせずに、露光箇所ごとにピントを合わせることが可能。歩留まり・稼働率が高いため、高精度な露光装置をお求めの方におすすめです。
スキャナーはレチクルとウエハを連動させて露光する装置のことです。細長いスリット状の領域を横方向に走査(スキャン)しながら、光を照射して露光します。レンズの大きさを変えることなく大面積にも露光できる点がメリット。凹凸があるウエハにも高精度の露光が可能です。
装置は非常に高価で、スキャンが必要な分、ステージ系の構成が複雑ですが、微細な露光を高精度に行いたい方、大面積への露光を行いたい方におすすめです。
マスクを用いることなく、PC上で作成したパターンデータを直接転写できる露光装置です。全自動かつスピーディーに、低コストで露光を行うことが可能。試作などを少ロット製作する場合にも、費用・時間を大幅に削減することができます。データを変更するだけでパターンを自在に露光できるので、研究開発試作や少量カスタム生産におすすめ。
MEMSデバイスパターンの直接描画や、露光用マスクパターン作製などに多く使用されています。
マスクを作製せずとも半導体部品製造に必要なフォトリソグラフィが可能なマスクレス露光装置。パターン情報が描かれたマスクを使ってレジストに光を当てて現像することで、基板が露出した部分と保護された部分の2パターンに作り分けます。その後、保護していない部分のみをエッチング液につけ、配線パターンを形成するのが特徴です。
より精度の高い重ね合わせ露光を希望する人は、特徴やメリット・デメリットなどの詳細をチェックしておくと良いでしょう。
コンピューターのCPUやメモリなど、さまざまな電子部品には微細な電子回路が刻まれています。半導体製造では、ナノメートル単位という微細な回路パターンを刻む必要があり、波長の短いエキシマレーザーといった超精密な光学・工学テクノロジーが使われています。
ここでは、国内外の露光装置メーカーのレーザー露光装置について、それぞれの特徴を詳しくまとめました。各社のレーザー露光装置を比較してみたい方はぜひこちらをチェックしてみてください。
半導体のシリコン基板(ウエハ)などのセンサ・電⼦回路を集約する微⼩電気機械システム(MEMS)をはじめ、⾼精度の電⼦機器の製造⼯程で⽋かせない存在となっている露光装置。量産⽬的、研究開発⽬的に分けておすすめの露光装置を紹介します。