液浸対応露光装置は、液浸露光技術に対応できる露光装置です。半導体は時代の流れとともに技術力を高めてきました。結果、微細化や多彩な機能を搭載できるようになっています。ただ、半導体は微細化が進むと一定以上小さくできないという、理論的な限界を迎えることになりました。
その理論的な限界を突破するにはどうすればいいのか?研究の結果、液浸露光技術が一つの突破口になったのです。液浸露光とは、露光装置のレンズとウエーハの間に純水を満たすことで、解像度を高めるという露光プロセスです。液浸露光装置は、液浸水の温度制御を高精度で実施し、ウエーハの温度変化がないように、温度調節機能をもたせるなどの対策がされています。時代の流れとともに、液浸露光装置も進化を続けています。
液浸露光技術の原理をもう少し掘り下げてみます。たとえばコップにストローを刺して上から見ると水中で曲がって見えます。なぜストローが曲がって見えるのか?理由は水の屈折率が空気より高いためです。液浸露光技術はその原理を利用しています。
半導体露光装置のレンズとシリコンウエーハの間を、空気より屈折率が高い純水で満たすことで純水をレンズのように使うことで高い解像度を実現しています。その技術で、一定以上は半導体の微細化ができないという限界を突破しました。数値でいうと38ナノメートル以下での露光ができるようになったのです。
液浸リソグラフィ技術は、55nmロジック以降の微細化に対応できる技術です。液浸リソグラフィ技術により、40nmロジックLSI、32 nmロジック LSI開発用のものも出て、生産に適応する流れになっています。
32nm ロジックLSI開発用以上のものが次世代LSI対応のリソグラフィ技術として注目されています。液進露光を何度も重ねて露光及びパターン形成をするダブルパターニング技術、非常に短波長な光を使ったEUVなど、リソグラフィ技術の研究開発が行われているのです。
今後も研究が進み進化すればさまざまな用途に利用されることで、生活の向上が期待できるでしょう。
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