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ベベル成膜について

ベベル(面取り)とは?

シリコンウェハの分野では、面取りを「ベベル」「べべリング」または「エッジラウンディング」と表現します。ベベル加工とは、円柱状のシリコンインゴットからウェハに切断後、円柱の外周面と切断面の交点となる角を削り、ウェハの外周部分を厚さ方向に丸める加工のことです。

なぜベベル(面取り)は必要?

ベベル加工を行う目的は、非常に脆い素材のシリコンウェハが、ウェハ製造からLSI製造の過程で欠けたりヒビが入ったりするのを避けるためです。ベベル加工はシリコンウェハの直径が3インチの頃から行われており、ベベル加工を行ったウェハを使用することで、IC製造工程での発塵が低減。IC製造の歩留りが明らかに向上したという経緯があります。

端面ベベル加工ではこれまで砥石で面取りの形状を整え、ウェハ製造工程での化学エッチングを経た面仕上が用いられていました。現在は端面からの発塵を低減することを目的に面取りが行われており、エッチングされた端面をさらに鏡面研磨したものが使用されています。

また、ベベル加工による仕上がり形状についても、日本電子工業振興協会(JEIDA)やSemiconductor Equipment and Materials International(SEMI)によって、標準規格が設定されています。

ベベル成膜とは?

ダイの歩留まり向上を図るための手法として、一般的になっているのがベベル部のエッチングによるクリーニングです。

実際にベベルクリーニングで歩留まりの安定性向上につながっているものの、微小な金属粒子の拡散を防げないので効果が限られるなどの課題も。ベベルクリーニングの課題に対処するための方法として新たに登場したのがベベル成膜です。

ベベル成膜は、精密に制御された特性を調整できる絶縁体保護フィルムを使ってベベル上に成膜する選択的PECVD(プラズマ励起科学気相堆積)です。

ベベル成膜のメリット

ベベル成膜にはさまざまなメリットがあり、たとえば長時間のウェットエッチングなど要求の厳しい処理工程の前に保護フィルムで成膜することで、粗さや平たん度のバラつきを大幅に低減。また、複雑な多層膜や露出した配線材料を封止することにより、汚染や損傷のリスク低減につながるメリットもあります。

ベベル部を保護することで、半導体の製造中に発生する欠陥や損傷を防止し、製品の歩留まり向上に貢献することが可能です。

露光装置パーフェクトガイド

半導体のシリコン基板(ウエハ)などのセンサ・電⼦回路を集約する微⼩電気機械システム(MEMS)をはじめ、⾼精度の電⼦機器の製造⼯程で⽋かせない存在となっている露光装置。量産⽬的、研究開発⽬的に分けておすすめの露光装置を紹介します。