2024年はじめ、オランダ政府は、半導体製造メーカーASMLに対し、一度は出していた中国への半導体露光装置の輸出許可を取り消した模様だと報じられました。
オランダの貿易相は、中国が軍事技術開発の自給自足を促進するために、外国の優れた技術を重視していると指摘しました。オランダ製の露光装置技術もそのひとつで、輸出を続けることによって中国の軍事技術への転用が懸念されたことが原因と見られています。
アメリカ政府は、ASMLに対してオランダから中国向けに露光装置を輸出するのをやめるよう、再三にわたって要請していたと言います。
今回の輸出許可取り消しが米国政府の要請によるものかは明らかにされていませんが、事実上、アメリカの要請が通った形となりました。
ASMLは、総売り上げに占める中国の売上高比率を高めていたところでした。2022年には売上高比14%だったのが2023年には29%とほぼ倍増となっています。これは輸出規制強化前の駆け込み需要もあると考えられていますが、2023年は四半期中高い比率を保っていました。
2024年は、中国向けの売上高は前年比で15%ほど減少すると考えられていましたが、今回のオランダ政府による対中輸出規制強化によって、予想以上に中国向けの売上が減少する見方が示されています。
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