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ダイシングについて

そもそもダイシングとは

半導体の分野では、ウエハー上に形成された集積回路を切断し、1つひとつのICチップとして切り離す作業や工程、関連する技術を「ダイシング」と言います。1枚のウエハー上には数十個から数万個の多量のチップがパターン化されており、それぞれのチップはスクライブラインという境界線で区切られています。

ダイシングでは非常に高いレベルの加工精度が要求され、ダイサーやレーザーダイサーなどの装置を使ってウエハーを正確に切断する必要があります。

ダイシングの切断方式

ブレードダイシング

スピンドルに取り付けた極薄のダイシングブレード(砥石)を高速回転させながら、ウエハーを切断する最も一般的な方式です。ウエハーと砥石の摩擦による熱の発生や加工くずを除去するために、冷却水を噴射しながら切断が行われます。

レーザーアブレーションダイシング

高エネルギーのレーザーを照射し、ウエハーを蒸発・昇華させて切断する方式です。ブレードダイシングと違ってウエハーと砥石の摩擦がないので、低負荷での切断が可能。微小径レーザーでカット幅も小さいため、ウエハー1枚あたりに取れるチップの個数向上を見込めます。加工が難しい一部の硬質材料に使用される切断方式です。

ステルスダイシング

ウエハー内部にレーザーを集光して内部に改質層を形成した後、外力を加えることでウエハーを切断する方式です。ウエハー内部に焦点を合わせてレーザーを照射するので、ウエハー表面にはダメージを与えずに加工できます。

ステルスダイシング方式では加工くずが少なく、さらに汚染物質も生じないので洗浄水を必要としないのが特徴。洗浄や加工負荷に弱い複雑な構造または中空構造のチップなどの切断に用いられます。

ダイシングの原理

半導体ウエハーのダイシングに要求される高度な加工精度は、「カットライン精度」と「チッピング幅」で定義されます。

カットライン精度はダイシングの切断位置のズレを表し、一般的に要求される精度は±3μm程度です。チッピング幅は、ダイシングの切断面に発生する欠けや割れを表しています。チッピング幅で一般的に要求される精度は、10μm以下です。これらの要求精度を満たすダイシング装置の種類には、ダイサーとレーザーダイサーの2つがあげられます。

ダイシング装置の種類

ダイサー

極薄の円形刃を高速回転させ、ウエハーを切断する装置です。刃先にはダイヤモンドを使用するのが一般的で、そのほかにはセラミック・ビトリファイド・ナイロン(CBN)やポリ・クリスタル・ダイヤモンド(PCD)が使用されることもあります。

レーザーダイサー

レーザーを使ってウエハーを切断する装置です。ダイシングの切断方式であるレーザーアブレーションダイシングやステルスダイシングは、レーザーダイサーを使って行われます。

露光装置パーフェクトガイド

半導体のシリコン基板(ウエハ)などのセンサ・電⼦回路を集約する微⼩電気機械システム(MEMS)をはじめ、⾼精度の電⼦機器の製造⼯程で⽋かせない存在となっている露光装置。量産⽬的、研究開発⽬的に分けておすすめの露光装置を紹介します。