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高NA EUV露光装置をASMLがIntelに出荷

オランダの大手露光装置メーカーASMLは、初の高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置をIntelに出荷するとX(旧Twitter)の投稿で発表しました。Intelは、2024年後半に高NA EUV露光装置を導入したIntel 20Aの改良版「Intel 18A」の量産を開始するとしており、当初開始予定だった2025年から前倒しで量産をはじめる方針を公表しています。

Intelは2023年10月、アメリカ・オレゴン州ヒルズボロにある半導体技術開発施設を拡張する大規模投資計画を発表しており、この施設に高NA EUV露光装置が納入されたと見られています。

高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置とは

高NA EUV露光装置とは、13.5nmの極端紫外線光を用いた露光手法によってレンズの開口数(NA)を従来の0.33から0.55に拡大した露光装置のことです。

ASMLはEUV露光技術を実用化させた唯一の会社で、半導体の微細化において大きく世界に寄与しています。露光装置を製造する技術を持つメーカーは存在するものの、EUV露光装置を製造できるのはASMLのみです。

高NA EUV露光装置の導入によって、半導体メーカーは今よりも高密度で高性能なマイクロチップを製造できるようになります。これらはスマホやAI、自動運転などさまざまなデジタル技術の開発で用いられており、技術革新には半導体の微細化が不可欠です。

2030年代はNA=0.75の超高NA EUV露光技術が必要?

ベルギーの独立系先端半導体研究機関「imec」の年次イベント「ITF World 2023」でASMLは、2030年代にはNA=0.75という超高NA EUV露光技術の開発が必要であるという見方を示しました。EUV露光装置を用いたトランジスタあたりのコストは1台数百億円ともされています。高NA EUV露光装置ともなればそれよりも莫大なコストがかかりますが、プロセスコストを削減するためにより高NA(開口数)なEUV露光装置が求められると予測しているためです。

半導体の微細化技術は、今後も半導体産業において重要な戦略となります。日本でもRapidusが2024年末にEUV露光装置を導入する計画を明らかにしており、EUV露光技術を用いた技術開発の行方が注目されはじめています。

【2024年4月】Intel・高NA EUV装置の組み立てを完了

Intelは、2024年4月19日、ASMLの次世代EUV露光装置「高NA EUV」のプロトタイプ「TWINSCAN EXE:5000」の組み立てを世界ではじめて完了したと発表しました。

装置はアメリカ・オレゴン州の「Fab D1X」に設置されていて、この装置を使えばチップのデザインを3分の1まで微細化でき、かつ処理速度の速い次世代半導体を製造できるようになると言われています。

EXE:5000のサイズ・価格について

ASMLが公開した情報によると、EXE:5000のサイズは14m×4m×4m、重量は150トン以上(Intelの発表では165トン)となっており、いかに巨大なシステムであるかが分かります。

価格は3億5,000万ユーロ、日本円に換算すると576億円と、既存のEUV露光装置の倍以上にも及ぶ高額です。

Intel 14Aからの導入を目指す

Intelは業界に先駆けてEXE:5000を導入し、半導体の微細化競争において主導権を取り戻すことを計画していました。2023年12月にはIntelに対してEXE:5000の初号機が出荷されたことが、ASMLより公表されています。

Intelは、「Intel 14A」以降の先端プロセスでEXE:5000の導入を目指しているとのことです。

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