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キヤノンがKrF露光装置の「圧倒的生産性」でトップシェア奪還へ

14年ぶりの刷新で毎時400枚を達成、AI・NAND需要を追い風にASML追撃

キヤノンは、KrF(フッ化クリプトン)露光装置において14年ぶりとなる新機種を2026年初頭に発売する計画です。最新鋭のメガファブ(巨大工場)への導入を想定し、ウエハ処理能力を従来比で約3割向上。現在約3割に留まっている同分野のシェアを5割以上へと引き上げ、最大手のオランダASMLから首位を奪還することを目指しています。

背景にあるのは、生成AIの普及に伴うデータセンター向けNAND型フラッシュメモリの需要拡大です。キヤノン執行役員の三浦聖也氏は、ロジック半導体だけでなくNANDも不足感が強まっていると指摘。コスト競争力が問われるメモリ製造において、メーカーが最も重視する「生産性の高さ」を武器に攻勢をかけます。

新型KrF機の狙い:毎時400枚の超高速処理で「ASML超え」の効率を実現

新機種の最大の特徴は、ウエハ処理速度を従来の毎時310枚から400枚へと大幅に引き上げた点にあります。このスループットの向上は、月産10万枚規模の巨大工場において、製造コストの低減と投資効率の最大化に直結します。

KrF露光装置は、波長248nmのレーザーを用い、半導体の比較的寸法が大きい層を形成するために不可欠な装置です。先端領域ではEUV(極端紫外線)が注目されますが、ボリュームゾーンであるKrF領域において圧倒的な生産性を提示することで、実利を取りに行くキヤノンの戦略が鮮明になっています。

ArFドライ市場へも再参入、パワー半導体需要を取り込みラインナップ拡充

さらにキヤノンは、2026年初頭をめどにArF(フッ化アルゴン)ドライ露光装置市場への再参入も果たします。かつて同市場からは撤退していましたが、顧客からの強い要望を受け、光制御の柔軟性など独自の機能で差別化した新装置を投入します。

主なターゲットは、準先端世代のロジックやパワー半導体です。市場規模そのものは限定的であるものの、既存のKrFやi線、そして開発を進めるナノインプリント露光装置と併せ、顧客の多様なニーズに応える「フルラインナップ」体制を整える狙いがあります。

露光装置は「生産性」の極限競争へ:キヤノンが仕掛けるシェア塗り替え

今回の動きは、キヤノンが露光装置ビジネスにおいて「高スループットによる顧客利益の最大化」を最優先課題に据えていることを示しています。14年ぶりの刷新という勝負手により、既存のASML優位の市場構造を崩し、再び主導権を握れるかが焦点となります。

最先端のナノインプリント技術で次世代を狙いつつ、量産の主力であるKrF領域で圧倒的な「数」を捌く能力を証明する。この両輪の戦略が、半導体製造装置市場におけるキヤノンの存在感を再び強固なものにしそうです。

参照元: 日経クロステック「キヤノン『NAND不足に商機』、新型KrF露光装置で狙うASML超え」2026年1月16日((https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03415/122200006/))