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マスクブランクスとは?

マスクブランクスの基礎知識

マスクブランクスは、半導体製造の中核を担う部材の一つであり、フォトリソグラフィ工程において極めて重要な役割を果たします。リソグラフィ工程は、半導体ウェハ上に回路パターンを形成するプロセスであり、微細化技術の進展に伴い、マスクブランクスの品質がデバイスの性能に大きな影響を及ぼします。特に、EUV(極端紫外線)技術の普及により、マスクブランクスの製造技術は高度化し、製品の均一性や欠陥の低減が求められるようになりました。

フォトリソグラフィにおける役割

フォトリソグラフィは、半導体製造工程で光を使用してパターンを形成するプロセスです。この工程では、マスクブランクスを元に作られるフォトマスクが光学投影装置に使用され、回路パターンをウェハに転写します。マスクブランクスが高品質でなければ、転写精度が低下し、最終製品の品質が損なわれる可能性があります。

市場での重要性

2024年現在、半導体業界は微細化と高性能化の競争が激化しており、マスクブランクスの市場規模は増加傾向にあります。これにより、各国のメーカーが製造技術の開発や生産能力の向上に注力しています。

マスクブランクスの構造と種類

基本構造の詳細

マスクブランクスの基本構造は以下の通りです:

種類の詳細解説

製造プロセスと技術

1. 基板の選定と加工

高純度石英ガラスは、原材料の選定から加工まで一貫して厳格な管理が行われます。以下のプロセスが含まれます:

2. 薄膜形成

スパッタリング法やCVD法を使用して遮光膜を形成します。この工程では、以下の点が重視されます:

3. 欠陥検査と表面処理

検査技術には、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いてナノメートルサイズの欠陥を検出するシステムが含まれます。また、特定の表面処理技術により膜の耐久性や接着性が向上します。

主なメーカーと市場動向

AGC(旧・旭硝子)

AGCは、EUVマスクブランクス市場をリードする日本の大手メーカーであり、垂直統合型の製造プロセスを持つ唯一の企業です。同社は、ガラス基板の製造から薄膜形成まで全工程を自社で管理することで、他社にはない一貫性を提供しています。

HOYA

HOYAは、光学製品や精密ガラスで培った技術を応用し、半導体産業向けのマスクブランクスを供給しています。同社の製品は、高い信頼性と品質で知られ、特に日本国内での需要が高いです。

ULCOAT

ULCOATは、低反射クロムマスクブランクスのパイオニアであり、独自の成膜技術により、高精度な光学特性を実現しています。同社の技術は、次世代リソグラフィにも対応しています。

技術革新と将来展望

EUV露光技術

EUVリソグラフィは、次世代半導体デバイスの微細化を可能にする技術であり、EUV対応のマスクブランクスの需要は急増しています。この技術では、通常の光学リソグラフィでは対応できないナノスケールのパターンを形成するため、基板の平坦度や膜の欠陥が極限まで低減される必要があります。

新素材の開発

現在、メーカーは従来のクロム膜に代わる新しい遮光膜素材を開発しています。これにより、より高い耐久性や光学特性の向上が期待されています。

まとめ

マスクブランクスは、半導体製造の要となる部材であり、その品質と技術革新はデバイスの微細化や高性能化に直結します。特にEUV技術の進展により、その重要性はますます高まっています。今後もマスクブランクスの進化に注目が集まり、産業界全体の技術革新を牽引する存在となるでしょう。

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