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露光装置の解像度について

解像度とは、削ることができる最小単位の大きさのこと。解像度を上げることで、半導体デバイスの微細化要求に対応できるため、世界中のメーカーがさまざまな微細化技術を研究開発しています。ここではその中から、解像度を上げる3つの技術をご紹介します。

レンズの精度がポイント

かつての露光装置はマスクとウエハを密着させ等倍露光するコンタクト方式でしたが、要求されるパターンが微細になるとともにマスクの作成が困難になり、近年では実寸よりも大きく作成したパターンを縮小投影露光する手法を採っています。

半導体の電子回路のパターンは大きなガラス板(フォトマスク)に描かれ、投影レンズによって縮小されてウエハに焼き付けられます。このため、レンズには微細なパターンを正確に焼き付ける、収差を極限まで抑えた高い解像度が必要です。はレンズの収差が小さければ小さいほど解像度は高くなり、レンズ面が滑らかなほど収差は小さくなります。

このとき、レンズがどのくらい光を取り込み狙った場所に光を当てられるかを表すのが開口率(NA)です。開口率が大きいほど、微細な加工を行うことが可能です。

波長の短い光源で
解像度が上がる

解像度は、レンズの大きさに反比例し、光の波長に比例することから、微細化に合わせて光源の短波長化が進められました。光の波長が短ければ短いほど、より微細なパターンを作ることができます。

高圧水銀灯のg線(波長 436nm)、i線(波長 365nm)、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、そして、現在主流のArFエキシマレーザー(波長 193nm)と短波長化が進み、次世代の光源としてEUV光が開発されたことで、劇的に解像度が上がりました。EUVでは、13.6nmという小さな波長を利用して、微細な構造加工を行います。

現在では、7nm程度のスケーリングが可能とされています。

液浸露光

レンズの精度や光の短波長化では突破することができなかった微細化の壁を打ち破ったのが、ニコンが開発した「液浸露光技術」です。

「液浸」とは「液体浸漬」のこと。液浸露光技術では、半導体露光装置のレンズとウエハとの間を、空気よりも屈折率の高い純水で満たすことで、高い解像度を達成しました。加工するウエハを、純水の中に沈め、そこにArFレーザーをあてることで、波長134nm相当の加工が行えるようにしたのです。こうして、それまで不可能と思われていた40ナノメートル以下で半導体を製造することが可能になりました。

解像力と解像度の違いについて

解像力(Resolving Power)

露光装置における解像力とは、装置の光学系自体が持つ理論上または設計上の性能指標です。具体的には、光学系がどれだけ細かいパターンを識別・再現できるかという限界を示し、光の波長や数値開口数(NA)、収差などが大きく影響します。たとえば、レイリー限界により決まる最小識別距離が解像力の指標となります。

解像度(Resolution)

一方、解像度は実際の製造プロセスにおいて得られるパターンの最小寸法、すなわち実効的な加工精度を指します。解像度は露光装置の解像力に加え、レジストの感度、現像工程、エッチングなどのプロセス条件も反映するため、実際の半導体パターンの微細さを示す実効値となります。

まとめ

解像力は装置自体の光学性能の理論的な限界を表し、主に物理的要素(波長、NA、収差)によって決まります。解像度は製造工程全体の実効性能を示し、装置の解像力に加え、プロセス技術や材料特性なども含まれた総合的な評価となります。

このように、露光装置では「解像力」という装置自体の光学性能と、実際の製造現場で反映される「解像度」が存在し、両者は密接に関係しながらも、評価する対象や影響する要因に違いがあることが理解できます。

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