半導体の製造機器・装置・材料メーカーで構成された国際業界団体「SEMI(国際半導体製造装置材料協会)」は2024年7月9日、世界半導体製造装置の2024年の央市場予測を発表しました。
発表によると、2024年は前年比3.4%増の1,090億ドルに達する見込みで、過去最高の規模となると予測されています。
売上高の予想増加の主な要因として挙げられたのが、中国の好調な設備投資の継続とAIコンピューティングに向けたDRAM・HBMへの投資の2つです。先端ロジックやメモリ関連の需要増によりウエハーファブ装置の売上高が高まっており、当初の予想値だった930億ドルから、2.8%増の980億ドルに大幅に上方修正されました。
また、過去2年間にわたり減少傾向にあった半導体後工程装置の売上高が、2024年後半より市場回復が見込まれていることも増加要因のひとつです。
後工程向けの半導体テスト装置は7.4%増の67億ドル、組み立て・パッケージング装置は10.0%増の44億ドルと、それぞれで売上高が伸びる予想となっています。
世界半導体製造装置の市場は伸び続けており、2025年は前年比17%増の1,280億ドル、日本円で約20兆円(1ドル=158円で換算)にまで達すると見込まれています。
AI(人工知能)向けなどで半導体の前・後工程装置販売の伸びが要因となっており、特に後工程装置市場は拡大する見通しです。半導体テスト装置は2024年比の30.0%増、組み立て・パッケージング装置は34.9%増と、大きな伸びが予測されています。
成長地域別では、中国が1位を維持し、台湾、韓国がそれに続く見通しです。
2024年までの3年間にわたり大規模投資を行ってきた中国は、2025年には投資規模が縮小する見込みですが、以前としてトップを維持すると見られています。
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