台湾の半導体メーカーであり世界トップシェアを誇る台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家CEOは、日本の岸田文雄首相と意見交換を行い、その中で熊本県菊陽町へTSMC熊本第2工場を2027年末までに建設する予定だと表明しました。
そもそも台湾積体電路製造(TSMC)は半導体受託生産企業として世界トップシェアを誇っているメーカーであり、TSMCが日本で初の生産拠点として熊本県菊陽町へ工場を建設し、その開所式が催されたのは2024年2月24日のことでした。
この半導体工場については投資額が約86億ドル、日本円にしておよそ1兆2900億円という大規模なものであり、半導体について経済安全保障上の重要テーマと認識している日本政府も積極的に補助金を投入しています。
一方、2024年4月3日に台湾東部沖地震も発生し一時はTSMCの生産供給能力に不安も抱かれましたが、TSMCは地震発生後10時間以内で生産ラインの大部分を再稼働させ、事業の安定性と生産体制の信頼性をアピールしています。
世界的半導体メーカーTSMCが熊本に新工場を建設の
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上記のような背景がある中、2024年4月6日に日本の総理大臣である岸田文雄首相はTSMCにとって日本初の生産拠点である第1工場を訪問し、TSMCの最高経営責任者(CEO)である魏哲家氏や、その子会社であるJASMの堀田祐一社長から工場の本格稼働に向けての取り組みが順調であると説明を受けています。
また、両者との意見交換の場において岸田首相は台湾東部沖地震に関するお見舞いの言葉を伝えると共に、TSMCから発表された熊本県菊陽町での第2工場建設プランに対して歓迎の意を示しました。
TSMCの計画によれば、第2工場もまた第1工場と同様に熊本県菊陽町を建設予定地として、さらに敷地面積を第1工場の1.5倍に拡大し、2024年から2027年末にかけて建設することが発表されています。
一部報道によれば、すでにTSMCは日本国内における第3工場についても建設予定を計画中であるとされており、熊本県の阿蘇くまもと空港の近くに第3工場を建てる可能性や、またエリアを拡大するリスク分散の観点から大阪に第3工場を建てる可能性などが報じられています。
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