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露光装置 PERFECT GUIDE » 露光装置の種類を徹底解説 » スキャナー

スキャナー

半導体用露光装置と一口に言っても、露光方式によってさまざまな種類に分けられます。ここでは、分割投影露光装置であるスキャナーについて、特徴やメリット・デメリット、どんな方におすすめなのかをご紹介します。

光源・解像力・重ね合わせ精度で
比較
【量産向き】
おすすめスキャナー3選

スキャナーの歴史・概要

スキャナーは「ステップ・アンド・スキャン」の略称で、レチクルとウエハを連動させて露光する装置のことです。「スキャン露光」などとも呼ばれます。縮小投影の分割露光方式ではステッパーと同じですが、ステッパーが正方形の領域をワンショットで露光するのに対し、スキャナーでは細長いスリット状の領域を横方向に走査(スキャン)しながら、光を照射して露光します。

1973年にPerkin-Elmerから発売されたフォトマスクとウエハを同時に走査(スキャン)させて露光するミラー・プロジェクション方式が基本ベース。露光時にレチクルとウエハを同期制御する必要があるため、実現へのハードルが高いとされていましたが、1995年に、ニコンがKrFエキシマレーザーによるスキャナーNSR-S201AをIBMに納入。続いて、オランダのASMLが1996年にPAS5500/300を発売、1997年にキヤノンがFPA-4000ES1発売、1998年にニコンが300mmウエハにも対応するKrFエキシマレーザー・スキャナーNSR-S5203Bを発売したことで、 エキシマレーザー・スキャナーの時代が到来することになりました。

スキャナーの
メリット・デメリット

大面積や凸凹があるウエハへも露光が可能

スキャナーは1回のスキャンでレチクル全面の露光を行い、ステップした後露光を繰り返し、ウエハ全面にパターンを焼き付けます。スリットを通して露光しつつ、レチクルステージとウエハステージを互いに別方向に移動させることで、レンズの大きさを変えることなく大面積にも露光することが可能。凹凸があるウエハにも高精度の露光を行うことができます。

装置としては非常に高価で、スキャンが必要な分、ステージ系の構成が複雑になり、かつ高精度が要求されますが、2021年現在、デバイスパターンが100nmを切るような微細な露光に対しては主にスキャナーが使用されています。

スキャナーは
こんな方におすすめ

スキャナー方式の露光では、小さなレンズで大面積の露光ができる上、屈折レンズの中央部だけを縦に光が通過するので、レンズの歪みの少ない領域だけを露光に使うことができ、レンズのN.A.を上げやすくなりました。装置は非常に高価ですが、微細な露光を高精度に行いたい方、大面積への露光を行いたい方には、スキャナーがおすすめです。

露光装置パーフェクトガイド

半導体のシリコン基板(ウエハ)などのセンサ・電⼦回路を集約する微⼩電気機械システム(MEMS)をはじめ、⾼精度の電⼦機器の製造⼯程で⽋かせない存在となっている露光装置。量産⽬的、研究開発⽬的に分けておすすめの露光装置を紹介します。