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露光装置 PERFECT GUIDE » 今さら聞けない露光装置の基礎知識 » CO₂排出量削減を実現する露光装置の選び方

CO₂排出量削減を実現する露光装置の選び方

露光装置は、半導体、プリント基板、ディスプレイなどの製造工程において重要な役割を果たしています。しかし、従来の露光装置は高出力の水銀ランプやDeep UVランプを光源として使用するため、長時間稼働すると大量の電力を消費し、結果として多くのCO₂が排出されるという環境負荷の課題がありました。そこで、近年は環境意識の高まりに伴い、省エネ性・長寿命・廃棄物削減を実現する次世代技術が着実に導入され、最終的にはCO₂排出量も削減できる露光装置の選定が求められています。

従来の露光装置とその環境負荷

従来型の露光装置では、主にショートアーク水銀ランプが採用されており、ランプの点灯には事前の予熱が必要で、約1000時間前後で交換が求められるため、頻繁なメンテナンスが課題となっていました。具体的には以下の点が問題でした。

これらの課題により、企業や製造現場では、CO₂排出量および環境負荷の低減が大きな経営課題となっています。

次世代露光装置の技術革新による環境負荷低減

次世代露光装置は、従来の問題点を解決するためにさまざまな技術革新を取り入れています。以下に主要な取り組みを詳しく解説いたします。

固体光源(UV LED・レーザーダイオード)の導入

従来の水銀ランプに代わり、UV LEDやバイオレットレーザーダイオード(LD)が注目されています。固体光源を採用することで得られる主なメリットは次の通りです。

リユース・リデュースの取り組み

高額な露光装置を新品に買い替えるのではなく、使用済み装置の中でまだ使用可能な部品のみを抽出・再生し、再度装置として活用する「リユース」活動も盛んです。たとえば、複数台の露光装置から各種ユニットを取り出し、投影レンズやステージ部の再生、さらには交換が必要な部分のみを新品とすることで、全体の資源投入量とCO₂排出量を大幅に低減することが可能になります。これにより、循環型社会の実現に向けた資源循環の一翼を担うとともに、環境面での負荷低減にも貢献しています。

ソフトウェアアップデートによる性能向上

露光装置の性能や精度は、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアによる制御にも大きく依存します。定期的なソフトウェアアップデートにより、次のような効果が得られます。

CO₂排出量も削減できる露光装置を選びましょう

上記のように、従来の露光装置は高い消費電力や短寿命による環境負荷が問題となっておりましたが、固体光源の採用、リユース・リデュースの取り組み、さらにはソフトウェアアップデートといった次世代技術の導入により、露光装置全体の省エネルギー性能が大幅に向上しています。

これらの技術革新は、以下の効果をもたらします。

最終的には、こうした新たな技術や運用方法を積極的に取り入れ、CO₂排出量を削減できる露光装置を選ぶことが、持続可能な製造ラインの構築に直結します。今後の設備投資や更新時には、単に性能や生産性だけでなく、環境に与える影響も十分に検討し、グリーンな選択をすることが求められます。

まとめ

露光装置は、半導体からプリント基板、ディスプレイまで、さまざまな先端技術の根幹を支えています。しかし、従来の装置は高消費電力や短寿命によるCO₂排出が大きな課題でありました。次世代の固体光源、リユース活動、ソフトウェアアップデートといった技術革新により、環境負荷が大幅に低下し、持続可能な製造プロセスへの転換が進んでおります。

最終的には、CO₂排出量も削減できる露光装置を選ぶことが、企業の環境負荷軽減、コスト削減、さらには持続可能な社会の実現につながります。皆様には、設備更新や新規導入の際に、環境性能にも着目し、グリーンな露光装置の採用を検討していただきたいと考えております。