電子部品や航空・宇宙用電子機器の製造を行う日本航空電子工業は、半導体向けなどのサーボ加速度計の小型化に成功しました。これにより、半導体製造装置の振動を正確に把握したいメーカーの需要を取り込みたいほか、フラットパネルディスプレー製造装置や地震観測での活用も見込んでおり、2024年度内の発売を予定しているとのことです。
これまでのサーボ加速度計よりも高さを1~2割抑えたことで、よも空間を有効活用できるようになると期待されています。
サーボ加速度計は、装置周辺の床や装置が搭載されている台などに取り付け、装置の揺れを計測するものです。半導体の微細化には微小な振動の検出が不可欠なため、半導体製造の現場で露光装置や検査装置などに使われています。
サーボ加速度計を小型化することにより、装置のすき間など、これまでは設置が難しかった空間にも置ける可能性があります。微細化が進む半導体製造の現場でさらなる活用が見込まれると予想されます。
サーボ加速度計は、振り子、振り子位置検出器、アクチュエーター、装置全体を制御する電器回路の4パーツで構成されています。
振り子は、振動と一緒には動かない相対運動のために使用されており、振り子の相対運動を電気的に変換して取り出すことで振動を計測しています。ところが、装置の振動で振り子が揺れ続けてしまうと正確な振動計測ができません。そこで、振り子の揺れにブレーキをかけて揺れを止める動きが必要です。
サーボ加速度計の振り子には位置検出器が取り付けられており、振り子の位置変位に比例した電流を自動的に流して静止状態を保っています。
サーボ加速度計のアクチュエーターを構成しているコイルは振り子に取り付けられており、コイルに電流を流すとコイルと磁気回路間に電磁力が発生して振り子は元の位置からずれます。もし電流が流れのると同時に電磁力と大きさが同じで方向が逆向きの加速度が加わると、2つの力は打ち消されて振り子は動かなくなります。
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