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アメリカ、ASMLに中国向け出荷の停止を要請

オランダの半導体製造・露光装置メーカーASMLは、高性能の半導体製造装置の輸出禁止措置が発動される数週間前に、アメリカのバイデン政権からの要請を受けて一部の装置の中国向け出荷を停止しました。

アメリカは、中国政府が取り組む独自の先端半導体産業の創出を抑制するために、同盟国とともに半導体技術が中国へ流れることを妨げており、これにより中国は、アメリカ以外にも輸入先を失ってしまったことになります。

ASMLの対中規制の影響

ASMLはEUV露光装置において唯一の技術を持っており、世界で85%という高いシェアを占めています。当初ASMLは、アメリカがオランダ政府に求める中国への輸出制限に疑問を呈していましたが、結局、要請通りに一部製品の出荷を停止しました。今後もアメリカと中国の対立がエスカレートすれば、中国で半導体を使用するすべての産業に影響が起こると予測されています。

ASML製品は代用することができない

中国は以前、ASMLから購入した装置を分解して分析し、その高い技術を解明しようと試みた過去があります。しかし、分解した装置を再び元に戻しても作動することはありませんでした。

ASMLの製品はそれほど精巧に作られているため、現時点で同じような性能を持つ代替品を国内で製造することは難しいと考えられます。今後もASML製品の輸入を禁止されると、中国のデジタル産業全体にとって大きなダメージとなることが考えられます。

台湾のTSMCに依存せざるを得ない

EUV露光装置1台の価格は約140億円以上と高額なことから、この装置を買えるほどの資金力を持つ企業でないと、先端半導体の供給を行えません。

現在、その資金力を持つ企業は中国にはおらず、アジアでは韓国のサムスン、SKハイニックスと台湾のTSMCのみです。今後、中国がASMLの最新装置を購入できなくなれば、高度な半導体の製造を台湾のTSMCに依存せざるを得なくなります。台中間の関係も良好とは言えない中、今後、半導体産業は、中国と台湾との力関係にも影響を与えると予測されています。

参照元:Bloomberg「米政府、ASMLに一部製品の対中出荷停止迫る-1月の期限前に」(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-02/S6LWJEDWLU6800)
AMP「世界が依存するオランダの半導体装置メーカーASML、「米中チップ戦争」にも影響力」(https://ampmedia.jp/2023/05/01/asml/)
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