半導体関連の企業で構成される国際的な業界団体SEMI(国際半導体製造装置材料協会)は米国時間の2023年11月13日に、世界半導体産業について2023年第4四半期は回復に向かっており、2024年には継続的な成長の土台が整うという予測を発表しました。
これはSEMIが米TechInsightsと四半期ごとに発行している、半導体業界の統計レポートに基づくものです。このレポートによれば電子機器の2023年第4四半期の売上高は同年第3四半期の前四半期比7%増からさらに成長し、22%増を見込んでいるとのこと。また、ICの売上高についても、最終製品需要の改善および在庫の正常化に伴って、2023年第3四半期の7%増に続き、第4四半期は4%増になると予測しています。
半導体製造に関する指標については軟調が続き、ファブ稼働率および設備投資額は2023年後半も下降が継続する見込みとのこと。設備投資に関しては非メモリ分野の設備投資額がメモリ分野のそれよりも上回るという予測はされていますが、そもそもの非メモリ分野の投資額自体が減少傾向にあります。
SEMIによると、2023年第4四半期の設備投資の総額は「2020年第4四半期の設備投資額の水準に留まる」とのこと。一方で前行程装置の売上高は当初の予測よりも減少幅が小さくなる見込みで、さらに後工程装置の売上高についても2023年第4四半期には上昇すると予測しています。
世界半導体産業の今後について、SEMIの市場情報担当シニアディレクターを務めるClark Tseng氏は「後工程装置の売上高は、2023年第4四半期には底を打つと予測。これを機に半導体製造業界は下降期から抜け出し、2024年以降は成長していくだろう」と見解を述べています。
マイクロエレクトロニクス業界を対象とする技術・知財コンサルタント会社TechInsightsの市場分析担当ディレクターBoris Metodiev氏は、「半導体市場は過去5四半期に渡って後退を続けているものの、サプライチェーン全体で行なった生産調整が功を奏し、2023年第4半期以降はプラス成長に転じる見込みだ」とコメント。さらに、「前工程装置の売上高はIC市場を上回る成績が続いており、2024年にかけても政府の産業支援と受注残の処理によって好調が継続するだろう」と述べています。
また、主要な半導体メーカーで構成される世界半導体市場統計(WSTS)は2023年11月28日に、2024年の半導体市場は前年比から13%増の5,883億ドル(約87兆円)になるとの見通しを示しました。
世界半導体市場統計によれば生成AIを活用したサービスの本格化により半導体の需要がけん引され、低迷していたスマートフォンやパソコン、民生品向けの需要も回復する見込みとのこと。市場規模は過去最高だった2022年の5,740億ドルを2年ぶりに更新するだろうとし、地域別では欧州が22%増、アジア太平洋地域が12%増、日本は4%増を見込んでいます。
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