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投影露光

露光装置は、露光方式によってコンタクト露光装置・プロキシミティ露光装置、一括投影露光装置および分割投影露光装置に分けられます。ここでは、投影露光装置について、歴史やメリット・デメリットをご紹介します。

光源・コスト・解像力で
比較
【量産向き】
おすすめ露光装置5選

投影露光の基本原理

投影露光方式(プロジェクション露光方式)とは、マスクに形成された回路パターンを、投影レンズやミラー光学系を介してウエハ上の感光性材料(フォトレジスト)に転写する方式です。マスクとウエハは直接接触せず、レンズを通して縮小投影されるため、露光時の摩擦や汚染、ダメージを防ぐことができます。投影光学系の種類は下記2出井あります。

レンズプロジェクション露光

高精度な光学レンズを用い、設計上の収差や波長依存性を最小限に抑えたシステムです。収差補正や非点収差の制御によって、露光フィールド内で均一な解像度と線幅を実現します。

ミラープロジェクション露光

ミラー(反射光学系)を使用することで、レンズに比べて波長依存性が低く、特定の応用分野において高い解像力が期待できる場合があります。ただし、設計やアライメントが複雑になる傾向があります。

歴史と技術進化の流れ

投影露光方式は1973年に登場し、70年代後半には3μm~2μmプロセスの実装に伴い、プロキシミティ露光方式と並んで主要な方式となりました。

当時は光学系の収差やアライメントの精度が課題でしたが、技術の進展に伴い、高精度レンズや自動位置合わせシステム、コンピュータ制御による補正技術が導入され、現在のような高い解像度と歩留まりを実現しています。

近年の進化

高NAレンズの導入

数値開口数(NA)の向上により、より短い波長での露光が可能となり、微細パターンの再現性が大幅に向上しました。

デジタル制御と自動補正技術

高速かつ高精度な位置決めシステム、レーザー干渉計やCCDセンサーによるピント合わせ、リアルタイム補正が、露光精度と再現性をさらに高めています。

システムの統合とコスト効率の向上

マスクの半永久的な利用や、露光装置全体の歩留まり向上により、初期投資の高さを補う運用コストの低減も進んでいます。

投影露光の
メリット・デメリット

マスク・ウェハのダメージは少ないが、
大面積への露光はコスト高

投影露光のメリットは、マスク上に形成されたパターンが、レンズを介してウエハ上に転写されるため、マスクとウエハが接触せず、感光性材料の一部がマスクに転移して転写欠陥となったり、マスクやウエハに傷がつくことがない点です。

また、マスクとウエハの間に投影レンズを入れることで、ワーキングディスタンスとある程度の焦点深度を確保できるため、露光のためのセッティングが簡単です。光学系のピント合わせに問題のあるプロキシミティ方式に比べると、しっかりピントを合わせられ、解像度が格段に向上。露光フィールド内のパターンの線幅・形状のばらつきが少ない点もメリットでしょう。

ただし投影露光方式でフラットディスプレイ用などの大寸法のガラス基板、プラスチック基板、銅箔付きプラスチック基板、スクリーン印刷用のスクリーン、金属シートなどの大面積に露光する場合、一括露光ではウエハと同じ大きさの大露光フィールドを持つ投影レンズが必要となり、保持や使用環境などを考えても極めて高価な点がデメリットかもしれません。

投影露光はこんな方におすすめ

マスクとウエハの間に、投影レンズを入れて投影させる投影露光装置。プロキシミティ露光に比べて解像度が高く、線幅・形状のばらつきが少ない露光を行うことができます。初期費用が高く、大面積への露光には難がありますが、マスクが半永久的に使える点や、歩留まり・稼働率が高いため、高精度な露光装置をお求めの方におすすめです。

露光装置パーフェクトガイド

半導体のシリコン基板(ウエハ)などのセンサ・電⼦回路を集約する微⼩電気機械システム(MEMS)をはじめ、⾼精度の電⼦機器の製造⼯程で⽋かせない存在となっている露光装置。量産⽬的、研究開発⽬的に分けておすすめの露光装置を紹介します。