Canonは2024年6月、第6世代ガラス基板に対応した新型FPD露光装置「MPAsp-E1003H」を発表しました。2022年7月に発売した第8世代ガラス基板「MPAsp-H1003H」をもとに、一度に露光できる幅を約1.2倍に拡大。
薄型・軽量で高精細さが求められるディスプレイ製造現場において、スマートフォン並みの品質を維持しながら効率的な量産ができるようにすることを目指しています。
一度に露光できる幅が拡大され、従来は6ショットの露光が必要だったスマートフォンなどの製品は、4ショットでの露光が可能となりました。これにより、高精度な露光をしつつディスプレイ生産の効率化を実現します。
2014年9月に発売された第6世代基板対応の装置の実績をもとに、アライメント方式を採用して高精度な重ね合わせを実現。さらに、新開発の非線形補正REI(Real-Time Equalizing distorted Image)ユニットを搭載することで重ね合わせ精度が高まっています。
超解像を実現する照明モード切替機構や露光幅を安定させる「露光スリット自動調整機構」、露光レイアウトに合わせて最適なガラス基板の向きを選択できる「ユニバーサルチャック」が搭載されており、様々な製造プロセスに対応可能です。
自動運転技術の進展や電気自動車の市場拡大により、高精細な車載用のディスプレイの需要が高まっています。MPAsp-E1003Hは車載向けディスプレイの製造の効率化を目指しており、引き続き需要が続くプレーヤーへの売り込みが見込まれています。
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