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HuaweiとSICarrierによって開発された特許技術「SAQP技術」とは?

中国のIT企業であるHuaweiと、その競業関係にある中国の半導体製造装置メーカーのSICarrierは、EUV露光装置の代わりにDUV露光装置を使った「SAQP技術」を開発し、その特許を取得しました。

HuaweiとSICarrierによって開発された「SAQP技術」について解説します。

HuaweiとSICarrierが特許を取得したSAQP技術とは

SAQPとは「自己整合4重パターニング」を意味する略称であり、HuaweiとSICarrierが特許を取得したSAQP技術はこれまで半導体生産に不可欠とされていたEUV露光装置を使わずとも、代わりにDUV露光装置を使うことで5nmというEUVリソグラフィ並みの微細パターンを形成できる技術です。

SAQPそのものは既知の微細パターニング技術でしたが、それをさらに発展させて微細パターニングを高レベルに行えるようになったことは、米中関係の対立が深まる現状において重要なここと考えられています。

「EUV露光装置を使わない」というメリット

アメリカと中国の対立が深まる中、アメリカは中国を対象とした半導体の輸出事業に規制をかけており、その影響は対中貿易戦略を強化してきた韓国などにも影響を与え、また中国の半導体産業にデメリットをもたらしていました。

しかし、中国国内のITカンパニーや半導体製造装置メーカーが独自の技術でEUV露光装置を必要としなくても、同レベルの微細パターニングを実践できるようになったことで、中国にとっては大きなメリットを生み出していると同時に、米国などにとってはより一層に警戒態勢を強める事態になっています。

長期的な課題とコストパフォーマンスの問題

そもそも台湾積体電路製造(TSMC)のような半導体企業がEUV露光装置を使用する理由は、半導体生産コストを最小限に抑えるためでした。反面、DUV露光装置を使ったSAQP技術ではプロセス数が増加するため必然的にコスト面での課題が残ります。

また5nm半導体の製造にはSAQP技術が効果的なものの、将来的な発展性を考慮すればやはりEUV露光装置の有無がネックになることを指摘する声もあるようです。

SICarrierとはどのような会社か?

SICarrier(深圳市新凱来技術)は中国の半導体製造企業であり、中国の大手IT企業であるHuaweiから出資を受けるなど、中国の国産半導体メーカーとして発展を期待されている会社です。

またかねてより先進露光技術や装置開発を行っており、アメリカ政府の調査対象にもなっています。

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