省エネ・環境問題を背景に、水銀を含む紫外線ランプから紫外線LEDへの切り替えに注目が集まっています。露光装置メーカー・サーマプレシジョンでは、UV-LED光源を搭載したステッパーを製造・販売。大手メーカーを中心に数多くの実績を重ねています。ここでは、CMSの特徴や導入した企業の評判などをご紹介します。
一番の特徴は、やはりLED光源を標準で搭載している点です。従来の水銀ランプ光源にくらべてランニングコストを約90%削減することができる上、将来的に規制強化が指摘されている水銀を使用していないので、長く安心して使用することができます。
650×550mmのフルサイズ基板に対応し、微細な露光も可能。解像力は1.4μmを誇り、高精細・高精度・高生産性が必要とされる用途に適した投影露光装置です。ショット毎チルト機構が搭載されており、より高い歩留まりを実現。ダイバイダイアライメント&グローバルアライメント方式を採用し、チップファースト工程にも対応可能と、さまざま用途・局面に利用できる汎用性の高さも魅力です。
用途 | 半導体後工程、RFフィルター、パワー半導体、電子部品、パッケージ、研究、MEMS |
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対応ウエハ・基板 | ウエハ(特殊・大型~小型含む)、ガラス、有機基板など |
解像力 | 1.4µmL/S |
光源 | UV-LED |
サーマプレシジョンに取材したところ、導入した企業からは下記のような声が挙がっているようです。こうした評判を見る限り、生産性に優れたステッパーだと言えそうです。
水銀灯に比べて、UV-LEDは4~10倍も高寿命。長寿命は光源の交換頻度減少につながり、ランプ交換のコストや交換作業時間といったメンテナンスコストの低減を実現してくれます。
また、オン・オフを頻繁に繰り返しても寿命に影響がありません。
水銀灯は、フィラメントを熱して発光させる仕組みのため、点灯時にランプ球管部が約700~800℃にもなりますが、UV-LEDは、電気を直接光に変えるため、発熱しにくい点が特徴です。LED自体が熱に弱く、自身の熱によって故障や劣化の原因となってしまうため、熱を蓄積しないように製品づくりが行われているのです。
このため冷却ファンといった、ランプ・露光シャッター部の冷却機構が必要ありません。
水銀灯に比べて初期費用はかかりますが、消費電力を抑えられるため、電気代を削減できてトータルコストは非常にお得です。また、二酸化炭素の排出量を抑えられるため、エコを実現することが可能。
水銀を使用していないため、廃棄する際なども安心・安全・リーズナブルに処理することができます。
東京都江東区に拠点を置く、1976年創業の商社/露光装置メーカーです。2013年に株式会社目白プレシジョンを吸収合併し、株式会社サーマプレシジョンに社名変更しました。
めっき液分析装置で世界的シェアを誇る米国ECI社をはじめ、複数の海外メーカーと総代理店契約を締結し、半導体・LCD・PDPなど主要電子部品の製造装置、検査分析装置を販売。また、長年のレジスト塗布経験を活かし、塗布工程や露光工程、現像/エッチング工程、めっき工程、後工程まで、露光工程のシームレスソリューションも提供しています。
露光装置では、UV-LED光源を標準搭載した投影露光(プロジェクション)方式の装置で販売実績多数。本社には、自社製の各種露光装置を実際に体験・評価できるクリーンルームを完備しており、門前仲町近くの東京テックでも、自社製塗布装置、ECI社・akrometrix社の製品などを体験することができます。