ここでは、Canon(キヤノン)の露光装置の特徴をご紹介します。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 水銀ランプ |
解像力 | FPA-5520iV:≦1.5 µm、FPA-5520iV HRオプション:≦0.8 µm、FPA-5520iV LFオプション:≦1.5 µm (解像力オプション:≦1.0 µm) |
重ね合わせ精度 | ≦0.15 µm |
先端パッケージング向けの「FPA-5520iV」(2016年7月発売)の、高い解像性能を誇る投影光学系と高精度な重ね合わせが可能なアライメントシステムを継承しつつ、52×68mmの広画角を一括で露光することを可能にした装置です。1.5µmの高い解像力で、微細な再配線パターンの露光ができるため、さまざまな先端パッケージングに対応することができます。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 水銀ランプ |
解像力 | ≦350nm |
重ね合わせ精度 | SMO≦18nm, MMO≦25nm (オプション適用時) |
ショットの縦横倍率差とskew(スキュー)成分を補正できる、キヤノン独自のショット形状補正機能「SSC(Shot Shape Compensator)」を投影光学系に搭載。ステッパーでありながら、実プロセスでの重ね合わせ精度を向上させています。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦500nm |
重ね合わせ精度 | ≦50nm |
1/2縮小投影レンズの採用をしたFPA-5510iX。50mm x 50mm以上の大画角を一括露光することが可能なため、イメージセンサーやMEMSなど大画角の露光が必要な製品に適した装置です。FPA-5510プラットフォームは既に半導体製造前工程および後工程向けステッパーに採用されており、高い稼働率と信頼性を誇ります。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 水銀ランプ |
解像力 | ≦500nm |
重ね合わせ精度 | ≦50nm |
50×50mmの広画角と0.5μmの高解像力を実現。従来機種「FPA-5510iX」の投影レンズを継承しつつ、新たな製造方法により、レンズの安定供給を確保しました。これにより、フルサイズCMOSセンサーや次世代XRディスプレイの高精細露光が可能です。
露光方式 | スキャナー |
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波長 | KrF |
光源 | 水銀ランプ |
解像力 | ≦90nm |
重ね合わせ精度 | ≦5nm |
新型レチクルステージおよびウエハーステージを採用し、露光処理を高速化。従来機種(FPA-6000ES6a)の約1.6倍の高い生産性を達成するとともに、高度な制振技術やステージ同期制御技術を搭載&アライメントスコープの改良により、高水準の重ね合わせ精度5nmを実現しています。
露光方式 | スキャナー |
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波長 | KrF |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦130nm |
重ね合わせ精度 | ≦9nm |
投影倍率の変更(1:4 → 1:3.125)によって、レチクルサイズを6インチのまま、大画角化を実現した露光装置です。露光方式はスキャナーで、焼付け波長はKrF 248nmです。主要オプションはAFIS照明系、SMIF OHT対応、PCリモートコンソール、GEM対応オンラインソフト、ペリクル検査装置などがあります。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | KrF 248nm |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦150nm |
重ね合わせ精度 | ≦25nm |
露光方式はステッパー、焼付け波長はKrF 248nmです。解像力150mm、重ね合わせ精度25nm以下、生産性(処理能力)毎時121枚以上を実現します。また、「FPA-3000EX6」のレクチルやレシピを使用することにより、既存の設備や資産を有効活用できます。主要オプションとしては、特殊基板対応搬送系、PCリモートコンソール、GEM対応オンラインソフト、ペリクル検査装置などがあります。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦0.35µm |
重ね合わせ精度 | ≦40nm |
FPA-3030i5aは、200mm以下の小型基板向けi線ステッパーです。50mm(2inch)~ 200mm(8inch)の幅広いウエハーサイズ対応です。従来機種(FPA-3030i5+)に比べて生産性が約17%向上しました(8inchウエハ条件において)。チャンバーの温度制御方式を変更したことで、消費電力を従来機種(FPA-3030i5+)から約20%削減しました。暗視野アライメント計測に対応したOff-Axis Alignment Scopeの採用により、プロセスバスト性が向上しています。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦0.8 µm |
重ね合わせ精度 | ≦100nm |
FPA-3030iWaは、200mm以下の小型基板向けi線ステッパーです。50mm(2inch)~ 200mm(8inch)の幅広いウエハーサイズ対応です。既に市場で高い信頼性を実証しているFPA-3030プラットフォームを採用しています。広画角52mmx52mmの画面サイズを、一括露光できます。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦0.35µm |
重ね合わせ精度 | ≦40nm |
200mm以下の小型基板向けに設計されたCanonのi線ステッパーです。新開発の高透過率・高耐久性レンズにより、露光時の収差を従来機種よりも半分に抑えつつ、生産性を向上させています。これにより、基板処理枚数は毎時123枚から130枚に増加。さらに、SiだけでなくSiCやGaNといった化合物半導体にも対応し、様々な基板サイズや材質に柔軟に対応可能です。
露光方式 | ステッパー |
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波長 | i線 |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | ≦ 1.0 µm |
重ね合わせ精度 | ≦ 200 nm |
FPA-8000iWは、515×510mmまでの大型四角基板向けi線ステッパーです。広画角52x68mmまたは55x55mm画面サイズを一括露光できます。広画角の露光が可能でありながら、1.0マイクロメートルの高解像力を実現しました。高い解像力と広画角の露光、高い生産性を両立したことで、半導体パッケージングのさらなる微細化と大型化、コストダウンを実現しています。
露光方式 | ナノインプリント |
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波長 | 公式HPに記載なし |
光源 | 公式HPに記載なし |
解像力 | 公式HPに記載なし |
重ね合わせ精度 | ≦ 4 nm |
「FPA-1200NZ2C」は、Canonのナノインプリント技術(NIL)を採用した半導体製造装置です。従来の光による露光ではなく、回路パターンを刻んだマスクをウエハーに直接押し付けることで、複雑な2D・3D回路を精密に形成します。この技術により、最小線幅14nmの5ナノノードレベルのパターンを再現し、2ナノノードの対応も可能です。環境制御技術により欠陥を抑え、低コスト・低エネルギーで半導体デバイスやメタレンズの製造にも対応しています。
1970年に他社に先駆けて半導体露光装置「PPC-1」を開発して以来、50年以上にわたって露光装置の開発・製造を続けているキヤノン。光源に水銀灯を使用するi線露光装置と、フッ化クリプトンを使用するKrF露光装置の2種類を展開しており、半導体デバイス以外の用途にも展開可能な露光機群など、多彩なラインナップを取り揃えています。
低価格と短納期を強みとしている上、さらなる微細化を目指したナノインプリント装置の開発も進めており、量産向けから研究向けの露光装置まで、さまざまなニーズの方におすすめです。
カメラ、ビデオをはじめとする映像機器、プリンタなどの事務機器、デジタルマルチメディア機器や半導体・ディスプレイ製造装置などを開発・製造する日本の大手精密機器メーカーです。
中でも、世界的シェアを誇るカメラやプリンター分野で有名。グローバルかつ幅広い授業を展開しており、世界中に製品・サービスを提供しています。
また、ネットワークカメラやメディカルシステム、商業印刷、産業機器といった新規事業の早期拡大にも積極的にチャレンジ。半導体露光装置市場では、パターンを刻み込んだ「型」で押し当てて回路を形成する、シンプルかつ高度な技術「ナノインプリントリソグラフィ」を開発しており、コスト削減も期待できるとして、業界内での注目を集めています。
キヤノンが新たに開発した半導体露光装置は、従来のものに比べて露光面積を4倍以上に拡大し、特に3D技術に対応しています。これはAIを活用した次世代半導体の大量生産に役立つと期待されています。新型機「FPA-5520iV LF2オプション」では、基盤の変形を吸収するシステムや、広視野アライメントスコープの搭載により、生産性と精度が大幅に向上。これにより、半導体業界に新たな選択肢が加わり、日本の産業競争力の強化が期待されています。
キャノンは2023年2月に、高精度なウエハーのアライメント計測が可能な「MS-001」を発売しました。この計測機は、ウエハーを露光装置に搬送する前に位置合わせを行い、露光装置での負荷を軽減し生産性を向上させます。また、同社のサービス「Lithography Plus」と連携することで、計測データを元にウエハーの変化をモニタリングし、露光時の自動補正が可能になります。これにより製造コストの削減も期待されています。
キャノンは2022年9月、半導体露光装置向けプラットフォーム「Lithography Plus」を発表しました。このプラットフォームは、半導体製造のデータを統合し、装置の状態分析やメンテナンスの最適化、異常検知機能を提供することで、装置の稼働率向上をサポートします。さらに、トラブルシューティングや遠隔サポートも可能で、露光装置の効率的な運用と生産性向上に貢献。ユーザーにとってコスト削減や品質改善が期待できる革新的なソリューションです。
キャノンが半導体露光装置向けプラットフォーム「Lithography Plus」を発売
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キャノンが2023年3月に発売した半導体露光装置「FPA-5550iX」は、波長365ナノメートルのi線を使用し、0.5マイクロメートルの高解像度を実現しています。画角は標準の約2倍となる「50ミリ×50ミリ」で、35ミリフルサイズCMOSセンサーや小型有機ELディスプレイの高精細な一括露光が可能です。また、メタバースやVRデバイス向けのディスプレイ製造にも期待されており、「Lithography Plus」との連携で生産性の向上も図れる革新的な装置です。
キャノンが発売した半導体露光装置「FPA-5550iX」とは?
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Canonが2024年6月に発表した新型FPD露光装置「MPAsp-E1003H」は、第6世代ガラス基板に対応し、一度に露光できる幅を約1.2倍に拡大。これにより、スマートフォン向けディスプレイなどの露光工程が効率化され、従来の6ショットから4ショットでの露光が可能となります。また、高精度な重ね合わせを実現する新技術REIユニットを搭載し、車載用ディスプレイの製造にも対応。電気自動車市場にも貢献することが期待されています。
Canonが発表した新型FPD露光装置「MPAsp-E1003H」とは
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社名 | キヤノン株式会社 |
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本社所在地 | 東京都大田区下丸子3-30-2 |
営業時間 | ※公式HPに記載なし |
電話番号 | 03-3758-2111 |
公式HPのURL | https://global.canon/ja/ |
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