【製造品目別】
おすすめ露光装置3選
露光装置 PERFECT GUIDE » 露光装置の最新ニュースを徹底解説 » アドバンスドパッケージングとは?

アドバンスドパッケージングとは?

アドバンスドパッケージング(Advanced Packaging)は、複数の半導体チップを高度な技術で統合し、一つのパッケージに収める技術です。この手法により、従来の技術では難しかった高性能化、小型化、省電力化を同時に実現することが可能になります。AIやHPC、自動車産業など、幅広い分野で必要とされる技術として、近年注目が集まっています。

アドバンスドパッケージングの重要性

半導体産業では、性能を良くするために、長い間トランジスタをどんどん小さくすることが進歩のカギでした。しかし、トランジスタがとても小さくなると、新しい問題が出てきます。たとえば、小さすぎると電気が漏れたり(リーク電流)、チップが発熱しすぎてうまく動かなくなることがあります。このような限界にぶつかったため、これまでの「小さくするだけ」という方法以外の工夫が必要になりました。

そこで登場したのが「アドバンスドパッケージング」という技術です。これは、チップをもっと効率的に組み合わせて性能を上げる方法です。トランジスタを小さくする以外にも、新しいアプローチで半導体の性能を高めることができる技術なのです。

主なパッケージング手法

2.5D(2.5次元)パッケージング

2.5Dパッケージングでは、基板の上にシリコンインターポーザーを挟み、複数のチップを高密度で接続します。これにより、高速かつ高密度な配線や異種統合が可能です。特にNVIDIAやAMDのHPC向けGPUが、この技術を活用しHBM(高帯域幅メモリ)との高速インターフェースを実現しています。

3D-IC(3次元集積回路)

3D-ICは、複数のチップを垂直に積層し、TSV(シリコン貫通ビア)を用いて接続する技術です。スペース効率や高速接続の面で優れた特性を持ち、HPCやデータセンター向けプロセッサで活用されています。

チップレット技術(MCM含む)

チップレットは、異なる機能を持つ小型ダイを同じパッケージにまとめる技術で、CPUやGPUなど様々な領域で導入されています。たとえば、AMDのRyzenシリーズはマルチチップモジュール(MCM)を採用し、I/OダイとCPUコアダイを分離することで生産効率と柔軟性を高めています。

アドバンスドパッケージングの利点

技術課題と解決の取り組み

課題1: 熱管理の複雑化

3D積層に伴い発生する熱の管理は、最も重要な課題の一つです。これを解決するために、新しい冷却技術や高熱伝導素材(ダイヤモンド基板など)の採用が進んでいます。

課題2: 製造コストの増加

高度な技術には高コストが伴いますが、チップレット技術やモジュール設計を活用することで、コスト削減が図られています。

課題3: 設計の複雑化

高密度な配線や異なる素材の統合により、設計が複雑化しています。AIを活用した自動設計ツールやシミュレーション技術が課題解決を支援しています。

将来展望

アドバンスドパッケージングは、量子コンピューティングやAIプロセッサなどの次世代技術に必要不可欠な基盤技術として位置付けられています。新材料の導入や標準化の進展により、さらなる発展が期待されています。