JOINT2は、株式会社レゾナックが中心となって2021年に設立した、次世代半導体パッケージ技術開発のコンソーシアム(共同事業体)です。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先端半導体製造技術の開発」として活動しており、10社以上の企業が参画しています。
JOINT2の目的は、2.5D実装や3D実装など次世代半導体の実装技術・評価技術の確立です。参画企業の材料・装置を組み合わせることで、ユーザーが行う半導体評価試験に近い条件下での材料・装置の評価が可能に。これによりユーザーが各サプライヤーで個別に行っていた評価の手間が省略され、スピードが求められる半導体パッケージ開発の期間短縮に貢献しています。
2023年に露光装置メーカーの株式会社オーク製作所が新たに参画し、JOINT2は半導体の装置・材料・基板メーカーが揃ったコンソーシアムになりました。最先端の後工程技術に関する一貫ラインが揃ったことで、次世代半導体パッケージの評価技術・開発のさらなる加速が期待されています。
オーク製作所は、半導体用の高密度パッケージ基板製造に用いられるダイレクト露光装置を主力製品とするメーカーです。
JOINT2へは、「微細配線を実現する露光技術」を担当する企業として参画。JOINT2ではオーク製作所がアドバンスト・パッケージ向けに開発を進めている次世代ダイレクトイメージ露光装置「SDi」を用いて、2.xD/インターポーザや次世代大型インポーザーの微細ダイレクト露光の開発支援を担います。
味の素ファインテクノは味の素グループに属し、ファインケミカル事業の中核を担っている企業です。これまでに培ってきた「分子設計」「配合設計」「プロセス開発」「ソリューション開発」を駆使し、半導体パッケージ・実装材料分野および機能性素材・吸着剤分野におけるイノベーションの創出に取り組んでいます。
味の素ファインテクノが扱っている製品には、層間絶縁材料をはじめ、難燃剤や高分子系顔料分散剤、工業用接着剤・封止剤、活性炭・吸着樹脂、高分子系顔料分散剤があります。
上村工業は1848年に創業し、めっき用化学品・機械の研究開発や製造販売などを行っている企業です。
全社員の約4分の1が研究者で、技術者・機械設計者を合わせると半数近くの社員が開発・技術支援業務に携わっているとのこと。1968年に高度な分析が可能な設備を揃えた中央研究所を開設し、ケミカル・メカニクス・エレクトロニクスを一体化した表面処理技術の研究開発を行っています。
業界のなかでも数少ない、「めっき用薬品」「めっき用装置」「液管理装置」の3つすべてを手掛けられる技術力を持った企業です。
荏原製作所は1912年にポンプメーカーとして創業し、水道向けポンプの国産化を実現した企業です。そのほかにも国内での生産が初となる冷凍機や送風機などを開発してきた実績があります。
現在は主力製品であるポンプをはじめ、送風機やコンプレッサ・タービン、廃棄物処理施設の設計・建設、半導体製造装置などを開発。ものづくりを通して、社会インフラや産業、先端技術の発展などへの貢献を目指しています。
新光電気工業は、半導体の小型化・高速化・高機能化に対応する半導体パッケージの開発・製造を行っている企業です。1946年の創業から培ってきた多彩な技術をもとに、フリップチップタイプパッケージやプラスチックBGA基板、IC組立、リードフレーム、ガラス端子など幅広い製品やサービスを提供。半導体の実装分野をトータルでカバーできる生産体制を整えています。
新光電気工業の海外売上比率は約90%、と世界各国の半導体メーカーとビジネスを展開している半導体パッケージの総合メーカーです。
1876年に出版印刷からスタートし、時代のニーズに合わせて事業領域を拡大し続けてきた大日本印刷。現在は「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクロト二クス部門」の3つの事業で構成されています。
ICカードの開発やリチウムイオン電池用バッテリーパックの製品化など世の中になかった新しい製品・サービスを生み出してきた実績があり、国内の特許保有権利数は12,000件以上にものぼります(2023年3月末時点)。
ディスコは、半導体・電子部品メーカーを対象に精密加工装置や精密加工ツールを開発・製造・販売している企業です。ディスコで製造している製品の大半が半導体製造工程に導入されており、パソコンやスマートフォン、自動車、医療機器などのデジタル製品の進化に貢献。製品の製造・開発研究は原則として国内の拠点で行い、製品の品質維持の向上や迅速なデリバリーにつなげています。
東京応化工業は、半導体製造に必要な薬品のなかでも特に重要なフォトレジスト(化学薬品)を製造している企業です。1968年に国産初となる半導体用のフォトレジストを開発し、販売を開始。すべての露光機に対応したフォトレジストをフルラインナップで扱っており、高い市場競争力を持っているのが特徴です。
東京応化工業のコア技術となる「微細加工技術」と「高純度化技術」の2つを生かした製品の開発を通し、半導体製造を支えています。
エレクトロケミカル材料に特化した事業を展開し、絶縁および導電材料を開発・生産しているナミックス。50年以上に渡って全社員数における技術者の比率を30%に保っており、技術開発に注力している研究開発型企業です。化学や薬学、電子工学、物理学などの知識を持つエンジニアが在籍し、幅広い顧客のニーズに即応できる体制を整えています。
10ヶ国で380件以上の特許を登録しているほか、26ヶ国で商標登録を保有(2023年11月時点)。グローバルに展開する国際企業として、エレクトロニクス分野の最先端で貢献できる製品の開発を目指しています。
パナソニックスマートファクトリーソリューションズはパナソニックグループに属し、電子部品やマイクロエレクトロニクス実装関連のシステム、溶接・レーザー加工関連機器などを開発している会社です。2022年4月にパナソニック コネクト株式会社に統合され、プロセスオートメーション事業部に組み込まれています。
メックは、電子基板の製造に欠かせない薬品を開発・製造・販売している化学薬品メーカーです。単体従業員の3人に1人が研究開発員なことからも、研究開発に力を入れていることが伺えます。また、連結売上高の約10%を研究開発に投資し、事業の拡充および技術力の向上に積極的なのも特徴です。
5ヶ国に7拠点を構えており、連結売上の70%以上を海外市場が占めています。
ヤマハロボティクスホールディングスは、表面実装機・産業用ロボットのヤマハ発動機、ボンディング装置の新川、モールディング装置のアピックヤマダの3社が事業統合して誕生した企業です。
各社の技術を統合し、半導体後工程から電子部品実装工程まで対応する半導体後工程および電子部品関連の製造装置を開発・販売。日本発のトータルソリューションプロバイダーとして、顧客のニーズに応えるソリューションの提案に取り組んでいます。
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